飼料・畜産情報

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用語集-成分

CP

粗蛋白質。飼料の6成分のひとつで、窒素含量に6.25倍したもの。 アマイドその他蛋白質以外の窒素化合物も含まれる。 植物中には種子の胚芽の部分に多く、またマメ科の植物には多く含まれている。 動物中には筋肉、血液、乳、卵白中に特に多く含まれる。

TDN

可消化養分総量。 飼料のエネルギー含量を示す単位のひとつで、飼料中に含まれる家畜家禽によって消化吸収される養分量を合計したもの。 次の式により求められる。

TDN = DCP +(可消化粗脂肪)×2.25
+(可消化粗繊維)+(可消化可溶無窒素物)

ME

代謝エネルギー。 飼料の総エネルギーから、動物が消化吸収できないで利用されないエネルギー(糞中のエネルギー)および吸収されても尿・ガス中に排泄されるエネルギー(尿・ガス中エネルギー)を差し引いたもので、動物に実際に利用されるエネルギーである。理論的に見てTDNよりも正確なエネルギー単位であり、特に鶏用飼料でよく用いられる。TDNとMEの関係はほぼ次のとおりである。

ME(kcal/100g)=TDN(%)×4.14

ADF

酸性デタージェント繊維。 細胞壁物質のうちヘミセルロースを除いた部分。 すなわちセルロースとリグニンに該当する。 したがって、ADF + ヘミセルロース= NDFという関係がおおむね成立する。

NDF

中性デタージェント繊維。 NDFは、ヘミセルロース・セルロース・リグニンおよび熱変性蛋白質よりなる。 従来の一般分析法によれば、可溶無窒素物の中に糖類・デンプンのような易消化性の物質とともにリグニンのような難消化性の物質が含まれることになるので、特に粗飼料の栄養価を化学分析の上によって推定するには不都合であったが、NDFを定量する方法によれば、易消化性の細胞壁物質と難消化性の細胞壁物質とに分画できる点がすぐれている。

バイパス油脂

飼料用油脂のうち。 反芻胃内の微生物に害作用を与えない状態に加工調整されたもので、保護油脂ともいう。 脂肪酸カルシウムおよび、硬化油脂が実用化されている。給与効果として、泌乳初期のエネルギーバランスの改善、繁殖成績の向上、乳脂肪率の向上があげられるが、乳腺での蛋白質合成機能の低下および無脂固形分率の低下をまねく場合がある。 給与にあたっては、粗飼料を十分給与し、ルーメンの機能を正常に維持することが大切である。

DMI

乾物摂取量。 乳牛の飼料には、高水分の生草やサイレージから低水分の乾草、植物性油粕、穀類などが使われる。 飼料は水分と乾物に必ず分離できるが、栄養分は全て乾物中に含まれている。 したがって、どれだけ乾物量を食べたかが乳牛の健康や産乳活動の良否を左右し、DMIを最大にすることがその牛の産乳能力を目一杯発揮させる重要なポイントになる。

RFV

相対飼料価。 粗飼料の消化率と採食性を組み合わせた評価法。 ADF41%、NDF53%の乾草をRFV=100とし、ADFおよびNDFの数値から計算した乾物消化率および乾物摂取量を用いた数式によって求められる。 消化率とADF、採食量とNDFにそれぞれマイナスの相関があり、一般にRFV100以上のものが品質の良い粗飼料で、それ以下のものが品質の悪い粗飼料といえる。 乳牛への養分補給を主眼としているためアルファルファの評価基準として適しているが、RFVの基準による良質粗飼料では飼料の物理性の確保が困難である。

RVI

粗飼料価指数。 硬さや形状のような粗飼料の物理性を示す指数。 乾物摂取量1kgあたりの咀嚼時間(採食時間 + 反芻時間)を「分」で表す。 したがって、粗剛な粗飼料を給与するほど採食時間や反芻時間が増加するため、高い値となる。 実際に給与し、行動観察した結果を用いて算出するため、一般的な粗飼料の品質評価として用いられることはほとんどない。 RVIは飼料の種類だけでなく、切断長やNDF含量、牛の状態でも変化する。乳牛用飼料では、約31分以上が必要とされている。

TMR

乳牛が必要とするすべての栄養分を満たすように、サイレージ、乾草、濃厚飼料、ミネラル、ビタミンなどの飼料原料を混合し、不断給餌される飼料のことで、コンプリートフィードともいう。 TMRを完全なものとするためには、エネルギーバランス、蛋白バランス、蛋白質、炭水化物の分画、機能性繊維など、理論に裏付けられた栄養知識に基づいて設計する必要がある。 TMRによって、牛は常に同じ成分の飼料をいつでも採食できるようになる。 特にエネルギーバランスが負の状態になる泌乳最盛期には、第1胃のpHが正常に維持され、能力を最大限に発揮することができる。 TMRは群分けすることが前提だが、日本のように群分けが不可能な頭数規模の場合は、一群でも可能である。

IPハンドリング

アメリカの穀物流通は一般流通が原則であるが、非遺伝子組換え作物の、その出自同一性を保持するために、一般流通品とは別に保管・流通させるために生み出された流通形態・方法。 出自同一性を保持するための、流通方法の一手段として普及し始めている。